CAR-T/TCR-Tの開発・市場動向について調査結果を発表

2024-12-03  /  プレスリリース

~血液がん・固形がんの次は自己免疫疾患での実用化が期待~

調査結果のポイント

  • CAR-T開発では自己免疫疾患での実用化へ期待が高まる!!
  • CAR-T/TCR-Tの2032年の世界市場は、2024年の7倍以上に急成長!!
  • CAR-Tの製造コストは、人件費と製造施設・設備費で50%を占める!!

 ライフサイエンス・メディカル分野のリサーチ・コンサルティングを専門に行う株式会社BBブリッジ(神奈川県平塚市、代表取締役 番場聖)は、血液がんの治療法として普及するCAR-T(キメラ抗原受容体T細胞療法)や、固形がんで開発が進められているTCR-T(改変T細胞受容体を用いたT細胞療法)について、研究開発の最新動向や製造技術・製造ビジネスの動向、製品の市場規模や企業間の提携などのビジネスについて、現状や展望の調査・分析を行い、その結果を発表しました。調査結果のポイントは以下の通りです。

1.CAR-T開発では自己免疫疾患での実用化へ期待が高まる!!

 CAR-Tは既に血液がんの治療方法として、広く医療現場で利用されています。一方、現在開発が進められているCAR-Tの開発対象疾患を調べると、最も多いのは「血液がん」で43%を占めています。次いで多いのは「固形がん」で38%を占めています。
 一方、「自己免疫疾患(免疫系の脳神経疾患を含む)」は19%を占め、近年開発品数が急速に増加しています。自己免疫疾患の具体的な疾患名は、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、重症筋無力症、多発性硬化症などです。既に米国企業が重症筋無力症を対象とした自家CAR-TのフェーズIIb試験において、2024年に主要評価項目を達成しています。
 従来、CAR-Tはがん治療法として認知されていました。しかし、自己免疫疾患での利用が広がれば、社会的なインパクトは非常に大きいと期待されます。

2.CAR-T/TCR-Tの2032年の世界市場は、2024年の7倍以上に急成長!!

 現在のCAR-T/TCR-T市場は、血液がんを対象としたCAR-Tで構成されています。既に世界では10種類を超えるCAR-Tが承認され、2023年には売上高10億米ドルを超えるブロックバスターも登場しました。
 CAR-T/TCR-T市場の今後について、2032年には2024年の7.6倍まで急成長すると予測しました。市場を牽引するのは血液がんを対象としたCAR-Tですが、2027年頃からは固形がんや自己免疫疾患でも製品化が進み、市場拡大を強力に後押しすることが予想されます。
 血液がん・固形がんだけでなく、自己免疫疾患での普及拡大も見えてきたCAR-T/TCR-Tは、今後も順調に成長を続け、医薬品市場において一定の存在感を示すと思われます。

 

3.CAR-Tの製造コストは、人件費と製造施設・設備費で50%を占める!!

 当社のいくつかの前提条件を基に、自家CAR-Tの製造コストを試算しました。その内訳を見ると、最も比率が高いのは「人件費」で全体の30%を占めています。次いで多いのは「製造施設・設備費」で、20%を占めています。
 この試算結果は、ここ数年の人件費の高騰、製造施設の建設コストの増加が影響しています。特に製造施設の建設コストは、過去数年で飛躍的に高くなっています。
 人件費や製造施設・設備のコストを下げるためには、自動製造装置の導入が不可欠です。既にいくつかの企業が、CAR-T/TCR-T向けの自動製造装置の開発を進めており、製造コストの大幅な低減ができると期待されています。
 世界的なインフレが進み、消耗品や装置も含めた製造コストは年々高騰しています。自動製造装置などを導入して製造コストを抑えることが、安定的に事業を行うために重要です。

 
 なお、本調査は㈱BBブリッジが作成した技術・市場調査レポート「2025年版 世界のCAR-T/TCR-T開発の最新動向とビジネス展望(2024年12月2日発刊)」において実施されたものです。詳細についてお知りになりたい方は、当該レポートをご参照ください。。

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